ノースフェイスのエクスペディショングリッドフリースが気になります。着心地や用途、サイズ感を知りたいです。
以上の疑問にお答えします。
どうもヨンロクです(@yonrokublog)40代をシンプルに活き活き暮らすための生活習慣、健康、ファッション、一生物アイテムなどのライフスタイルを発信しています。
寒い冬を快適に過ごすためにミニマリスト志向の筆者が冬服のコーディネートで参考にしているのがレイヤリングだ。
レイヤリングとは登山用語であるが、簡単に言うと”重ね着”のこと。それぞれ異なる機能の服を重ね着することによってさまざまな過酷な環境下でも体温を一定に保つ調整機能効果があり、山登りにおいては暑すぎても寒すぎても命に関わるため登山家にとってレイヤリングはとても重要なのだ。
レイヤリングは主に3層に分類される。
ベースレイヤー:吸湿速乾
ミドルレイヤー:保温性・通気性
アウターレイヤー:防風性・防水性・防寒性
筆者はミドルレイヤーとしてはライトヒートジャケット、そしてアウターレイヤーとしてはマウンテンライトジャケットをすでに所有していて何年も愛用中である。
そして今回ついに最後のピースが揃ったと感じる1着に出会うことができた。
それが、ノースフェイスの”エクスペディショングリッドフリース”だ。
この記事では、新たなワードローブに加わった”ノースフェイスのエクスペディショングリッドフリース”についてレビューしたいと思う。特徴やサイズ感、また実際に着用してみた率直な感想など詳しく解説するので購入前の参考にして欲しい。
以下本文内では”グリッドフリース”と省略して表記する。
エクスペディショングリッドフリースの特徴
グリッドフリースはとにかく薄くて軽いのに、適度な保温性がありながら通気性が良いともっぱら評判のテクニカルウェアだ。
ノースフェイスの最高ライン”サミットシリーズ(SUMMIT SERIES)”として発売されている。
サミット シリーズは、世界中のトップアスリートとともに開発されたザ・ノース・フェイス最高峰ライン。 革新的なイノベーション、素材、技術を駆使した製品はトップレベルのアスリートチームによってテストされ、最先端のテクノロジー&レイヤリングシステムとして過酷なアウトドアフィールドでパフォーマンスを発揮する。引用元:THE NORTH FACE公式通販
サミットシリーズで展開されるアイテムは、過酷な環境下で着ることを想定されたいわゆる本格的なガチ登山家向けの製品となる。山登りなんかしない人には不必要に思うかもしれないが、実は普段着としても着用しても快適そのもので、シーズン問わず使えるヘビロテ間違いなしな1着なのだ。
快適さの秘密は使われている素材にある。2021年に生地が大幅にアップデートされ新たに採用されたのがOCTA®(オクタ®)という素材だ。
次世代素材OCTA®(オクタ®)
OCTA®(オクタ®)とは帝人フロンティアが独自に開発したポリエステル繊維のこと。穴の空いた中空糸に、8本の突起を放射線状に配列したタコ足型断面になっているのが特徴的だ。
ホッキョクグマの毛がストロー状の空洞になっていることによって、体温と太陽の熱で温められた空気を地肌に効率良く届け、さらにその中空構造が断熱効果が高まることにヒントを得て開発されたと言われている。ソロテックス®といい最近の帝人フロンティアには感心させられる。
- 軽量:同じ直径のポリエステル繊維に比べて、2分の1程度の軽量感を実現
- 吸汗速乾性:水や汗が通りやすくなり、サラッとした快適な着心地。
- 遮熱性:中空部と8本の突起による空間に含まれるデッドエアーが遮熱効果を実現
軽量・保温性・通気性といったミドルレイヤーとして欠かせない機能が備わっているため”ミドルレイヤーの最適素材”として目下さまざまなアウトドアブランドがこぞって採用している究極の次世代の素材と注目されているわけだ。
エクスペディショングリッドフリースの種類
そんな高機能素材OCTA®が使われているグリッドフリースには現在4タイプが発売されている。(ちなみにタイツもある)
クルーネック
もっともシンプルなクルーネックタイプ。ロンT感覚で着れる。
ジップアップ
襟が高めのジップアップは首元の保温性を高められ、暑くなったら体温調整もしやすいだろう。
フーディ
フーディタイプのフードは顔の大部分を覆い隠せるバラクバラ仕様。みぞおち付近までジップが開くのでさほど脱ぎ着も苦労しないだろう。
フルジップフーディ
フード付きのフルジップなら脱ぎ着しやすいので、頻繁に体温調整をするときに便利だろう。フードはバラクバラにならず首元までのデザインになっている。
エクスペディショングリッドフリースフーディをレビュー
どのタイプがいいか迷ったが筆者はフーディタイプを選んだ。夏に着ていたパタゴニアのキャプリーン・クール・デイリー・フーディですっかりフード付きのウェアが好きになったからだ。
普段着としても脱ぎ着しやすいフルジップフーディと悩んだが、最終的にはバラクバラ仕様になるフードデザインに魅かれた。
エクスペディショングリッドフリースフーディの概要は以下のとおり。
ブランド | THE NORTH FACE |
製品名 | エクスペディショングリッドフリースフーディ (ユニセックス) |
品番 | NL22321 |
素材 | FUTURE FLEECE(ポリエステル100%) |
原産国 | 中国 |
サイズ展開 | WS、WM、WL、S、M、L、XL、XXL |
重さ | 約220g(Lサイズ) |
公式価格 | ¥17,600(税込) |
柔らかなグリッドフリースで適度な保温性と通気性を兼ね備えた、バラクラバ付きミッドレイヤーです。フリースを構成する繊維には、通常のポリエステル繊維に比べて1/2の軽量性を誇る、8本の突起を持つリサイクル中空繊維を使用。デッドエアーを溜めやすく、薄手ながら保温性と速乾性に優れています。また、ウェア全体のストレッチ性と摩耗強度を向上。ダイナミックな動きへの対応力を高め、国内の冬季登山から海外遠征まで幅広く活用できるテクニカルウェアに仕上げています。
引用:THE NORTH FACE公式通販(※一部抜粋)
それでは早速エクスペディショングリッドフリースフーディのディテールを確認していきたいと思う。
表地
まず表地はフラットでさらっとした肌触りになっている。上から着るアウターシェルとの相性をしっかりと考えて作られているのはさすがノースフェイスといったところ。
内生地
一方、内生地にはOCTA®(オクタ®)がグリッド状(格子状)に施されている。見た感じはまるで魚の鱗のようだ。ひとつひとつかさ高を厚めにすることで保温性を高める効果と汗の吸い上げを良くする効果があるのだろう。
光にかざすと、通気性の良さがよくわかる。
グリッド状になっていることで抜群のストレッチ性、汗をかいても肌に張り付きにくく、すぐに汗を放出し汗冷えも起こしにくいという構造なわけだ。
サムホール
袖口はサムホール仕様になっている。防寒性を高める効果や、重ね着するときに袖がめくり上がるのを防いでくれる。
胸のポケット
グリッドフリースにはファスナーポケットが左の胸にひとつだけ配置されている。筆者のスマホ(165mm×80mm)はギリギリ収納できるが、重みがあるものはシルエットが崩れるため携行食など軽い物を入れる用途に限られるだろう。
ポケット内にも同じOCTA®が使われている。このへんもさすがノースフェイス、抜かりがない。
ファスナー引き手パーツ
ファスナーの引き手パーツはノースフェイスロゴではなくサーミットロゴになっている。こういった小さいパーツにまでこだわりが感じられる。
ロゴ
ロゴはすべてプリントロゴ。前面のポケットのところにひとつと、
背中の右肩にもひとつある。ノースフェイスといえばもはやこの位置が定番だ。バックパックを背負ったときにもロゴが見えるかっこよさがある。
そして左上腕部分にはサミットシリーズのシンボルマークがプリントされていてさらにかっこいい。
エクスペディショングリッドフリースフーディは1着3役こなす
ここからは実際に3つの着用シーンに分けて紹介する。
用途①:ミドルレイヤー(中間着)として
まずはミドルレイヤーとして着用してみた。
天気:晴れ
気温:3℃
風:時々あり
時刻:AM8:30頃
ベースレイヤーにはモンベルの「スーパーメリノウール M.W. ラウンドネックシャツ」を着用し、アウターレイヤーにはノースフェイスの「マウンテンライトジャケット」を羽織って初詣に出掛けることにした。
たった3枚しか着用していないわけだが、ほとんど寒さを感じることはなかった。ほんのりとした温もりも感じることができ暑すぎず、寒すぎずな今までにないようななんとも不思議な感覚だ。
神社までの道のりもとても快適そのもの。境内の長い急な階段を登るときもとにかく動きやすく、汗をかくこともなく気持ちよく登ることができた。ユニクロのファーリーフリースだとおそらく暑すぎてきっとオーバーヒートして汗をかいていただろう。
試しにマウンテンライトジャケットを脱いでみることにした。太陽の日差しもありそこまで寒さは感じない。
ジップを上まで上げるとネックウォーマー代わりにもなり首元を温めてくれる。
フードを被ればバラクバラになる。ネックウォーマーやバラクバラを別途用意する必要がないため荷物を少なくしたい登山家に人気なのも納得だ。
サムホールも非常に使いやすい。手の甲を覆うだけでも手先が冷えにくいことが確認できた。
ただたまに風が吹いたときは寒さを感じてしまった。これはエクスペディショングリッドフリースの通気性の良さが原因だろう。
また境内の休憩所でじっとしているとやはり寒さを感じた。もう少し寒さがマシな季節、また行動量の多いアウトドアシーンでの着用が適しているように感じる。
用途②:ベースレイヤーとして
今度は別の日にベースレイヤーとして着用してみることにした。
天気:曇り
気温:1℃
風:ややあり
時刻:AM9:00頃
素肌に着た瞬間OCTA®の優しい温もりを感じる不思議な感覚。ユニクロのヒートテックとは全く異なる肌触りだ。チクチクするようなこともなくとにかく着ていて気持ちいい。
ミドルレイヤーとしてノースフェイスのライトヒートジャケットを着用し、アウターレイヤーにはマウンテンライトジャケットを羽織り出かけてみることにした。
近所の商業施設まで20分ほど歩いていき、施設内も脱ぎ着することなく散策してみたわけだが、とにかく快適そのものだった。この日は正月ということもあって施設内はかなりの人だかりだった。暖房と人混みの熱気があわさり施設内の温度は高めだったので、ほとんどの人はダウンなどの上着を脱いで手に持って歩いていたり、ショッピングバッグなどに詰め込んでいたが、筆者はオーバーヒートして汗をかくこともなく、常に程よい体温を保つことができた。
・グリッドフリース:吸汗速乾性・適度な保温性
・ライトヒートジャケット:光電子の保温性・適度な通気性
・マウンテンライトジャケット:ゴアテックスの防風性・透湿性
もしかしたら究極のレイヤリングが完成したのではないだろうかを思わせてくれた。
用途③:ランニングウェアとして
今度は別の日にランニングウェアとして使ってみることに。素肌にグリッドフリース1枚だけ着用して軽く2キロほど走ってみた。
天気:晴れ
気温:5℃
風:ほぼなし
時刻:AM11:30頃
軽くて薄くてストレッチがきいているためとても走りやすい印象だ。背中や脇あたりに少し汗をかいたが、べっとり肌に張り付くことなく終始快適に走ることができた。
この感覚は夏に着ているパタゴニアのキャプリーン・クール・デイリー・シャツに通じるものを感じた。
走り始めは肌寒かったためフードを被りバラクバラ状態にしてスタートした。
前方からの冷たい風が顔に当たるのを防いでくれ、頭の形にフィットしているので左右の首振りにも追従し視界を妨げない安心感がある。
ランニング後の汗冷えも問題なかった。これがオクタという素材なのかとすっかり感心してしまった。
まだランニングを趣味にするかどうかは決めていないが、”これを着て走ってみたくなる”そう思わせてくれるほど気に入ってしまった。
エクスペディショングリッドフリースフーディのサイズ感
ノースフェイスはアイテムごとにサイズ感が異なるためサイズ選びには注意が必要だ。グリッドフリースに関してはかなりスリムなデザインになっている。
着丈 | 身幅 | 肩幅 | 袖丈 | 袖口幅 | |
---|---|---|---|---|---|
WS | 62 | 41 | 37 | 61 | 8 |
WM | 64 | 43 | 38 | 63 | 9 |
WL | 66 | 45 | 40 | 65 | 9 |
S | 68 | 49 | 45 | 61 | 9 |
M | 70 | 51 | 46 | 63 | 9 |
L | 72 | 53 | 48 | 65 | 10 |
XL | 74 | 55 | 50 | 67 | 10 |
XXL | 76 | 57 | 51 | 69 | 11 |
グリッドフリースはユニセックスとして販売されているためWが付いているのはレディースサイズのことでサイジングがまったく異なるため注意したい。
筆者はLサイズを購入した。筆者と同じような体型の人はLサイズで問題ないだろう。
エクスペディショングリッドフリースの耐久性
まだ購入したばかりのためエクスペディショングリッドフリースの耐久性については不明だ。だがいろいろ調べてみてもすぐにダメになった等の情報は見つからない。
同じようなアイテムとしてはパタゴニアのキャプリーン・サーマルウェイトが挙げられると思う。
フリースの元祖でもあるポーラテック・パワー・グリッドが使われていて定番の人気のベースレイヤーだ。しかしながら素材にはポリウレタンが8%使われているため経年劣化が心配されること、また製造年度によっては毛玉ができやすいなどの悪い口コミレビューも散見される。
エクスペディショングリッドフリースに関してはポリエステル100%なので経年劣化するような素材ではないのは安心だが、毛玉ができるのか、OCTA®の毛抜けなどはあるのか今後の耐久性についてはウォッチしたいと思う。
エクスペディショングリッドフリースの洗濯方法
洗濯するときはファスナーをすべて閉めて洗濯ネットに入れて洗濯するだけでいいようだ。面倒なメンテナンスが要らないのはありがたい。
暖房のきいた部屋でサーキュレーターを回しながら室内干しで4、5時間ほどで乾いた。フリースは比較的乾きやすい素材ではあるが、グリッドフリースはそれ以上に速く乾く印象だ。
エクスペディショングリッドフリースフーディの残念なところ
最後に実際に購入し着用してみて、ちょっと気になった点を紹介しておく。
ミドルレイヤーとしては保温性は低い
今回の使用時では、モンベルのベースレイヤーにグリッドフリース、そしてアウターシェルにはマウンテンライトジャケットを羽織って出かけたわけだが、体感的には”寒くはないが、決して温かくはない”といった印象だ。
このへんの感じ方は外気温や風の有無、もちろん暑がり・寒がりといった個人差もあるが個人的には一般的なフリースのような温かさはないと思った。
スウェット以上フリース未満
これぐらいの保温性と考えたほうがいいだろう。商品名に”フリース”と書かれているため、ぬくぬくのフリースをイメージして買ってしまうと期待外れになるかもしれない。普段使いとしてはそれほど寒くない季節の中間着として、またアウトドアシーンでは夏の低山の保温着として、また寒い季節でも行動量の多い雪山でのラッセルやスキーなどでの中間着としての用途がベストだろう。
高機能なベースレイヤーが必要
グリッドフリースを中間着として着る場合、その性能を発揮させるためには高機能なベースレイヤーが必要になる。
ベースレイヤー、つまり冬に着る肌着と聞くと真っ先に思い浮かべるのはユニクロのヒートテック系インナーではないだろうか、しかし残念ながらヒートテックはベースレイヤーとしては役に立たない。
ユニクロのヒートテックは体の熱を利用して発熱するレーヨンが含まれている。レーヨンは綿と同じように濡れると乾きにくいという特性があり、汗冷えを起こすため登山での着用は推奨されていない。
中にヒートテックを着てしまうと、せっかくのグリッドフリースの性能を台無しにしてしまうため、保温性、吸湿発散性、速乾性に優れたメリノウールや高機能の化繊素材のベースレイヤーが必要になる。
- モンベル メリノウール
- ノースフェイス オルタイムウォームクルー
- パタゴニア キャプリーン・ミッドウェイト
グリッドフリースを中間着として着るならこのあたりの定評のあるアウトドアブランドのベースレイヤーも別途用意する必要がある。
防臭機能はない
グリッドフリースにはパタゴニアのベースレイヤーに備わっているハイキュ・ピュア防臭加工のような防臭機能はない。汗をかきにくい季節に着るとはいえベースレイヤーとして着る場合、肌と直接触れるわけだから汗の匂いが気になる人は注意が必要だ。
ただノースフェイスお得意の静電気防止ケアは付いているのでその点はありがたい。
左右のハンドポケットがない
左右にハンドポケットがあれば用途は広がると思うが、グリッドフリースフーディにはない。ちなみに他のクルータイプ、ジップアップタイプ、フルジップタイプにもないので普段着としての利便性よりも軽量性を追求したものと思われる。
首元のタグが気になる
OCTA®の生地にはプリント印字できないからなのか首元にはタグがしっかり縫い付けられている。OCTA®のふわふわの生地にやや硬めのナイロンタグはどうも違和感がある。ベースレイヤーとして着用するときは敏感肌の人は気になるかもしれない。
まとめ:感想
以上、新しく購入したノースフェイスのエクスペディショングリッドフリースフーディについて解説した。
まとめるとこんな感じだ、
今回物は試しということでエクスペディショングリッドフリースを買ってみたわけだが、これから長く着続けることができる最高の1着に出会えたと個人的には感じている。
特に、グリッドフリース+ライトヒートジャケット+マウンテンライトジャケットの組み合わせは、冬の行動着として筆者の鉄板レイヤリングの最適解になったのではないかと思った。
またこれから少し暖かくなってきたら、インナーにはパタゴニアのキャプリーン・クール・デイリー・シャツを着てみたり、上にノースフェイスのコンパクトジャケット、パタゴニアのフーディニジャケットを合わせてみるのも面白いと思う。
軽くて動きやすくて、ほどよい保温性がありながら通気性に優れているエクスペディショングリッドフリースは、使い用途によってはシーズン問わず着用でき、体温調整の幅もぐっと広がるのでカッコいいテクニカルウェアを探している人にはおすすめできる1着だと思う。
ぜひ一度袖を通してみてはいかがだろうか。
ちなみに今回エクスペディショングリッドフリースフーディを着て初詣でおみくじを引いたところ、大吉だった。
今年はこのエクスペディショングリッドフリースフーディを相棒にして良い1年を過ごしたいと思う。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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